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コロナウィルス~子どもへの影響パート2~

更新日:2020年8月18日

6月17日付けで日本小児科学会より14本の論文がアップデートされました。 様々な報告が上がっておりますが、大筋、私が以前発信した内容を読んでいただければ問題ない内容となっておりますので、改めて下記アップしておきます(まとめ論文として解釈してください)。






今回のアップデートで特記すべき論文としましては、下記となります(川崎病様の症状も気になりますが、こちらはまだエビデンスが少ないのでまた今度)。


(社会的孤立や孤独感が子ども達の精神的健康に及ぼす影響)

本論文は非常に長い論文ですので、かみ砕いて説明いたしますと…


COVID-19により、学校の閉鎖や社会的距離間を保つことなどが求められ、子どもも、友達や教員、家族などのコミュニティネットワークからの物理的な孤立状態を強いられてまいりました。

このような孤立状態が続くことにより、成人においても心理的混乱や心的外傷ストレスなどの心理的影響を及ぼすことが判明しており(いわゆるコロナ鬱ってやつですね)、成人に比べて精神的健康リスクの高い子どもでは、上記の症状がより強く表れる可能性があるのでは?との仮説の基に、データ解析が行われた訳です。


本論文では、これまで様々なケース(今回のコロナのデータはまだ多くは集まっていないので…)によって引き起こされた、子どもの孤立が心理的影響に与える可能性を幾種もの論文から寄せ集め、統計的に関連を調べた報告となります(要するに、ここで関連あり = COVID-19パンデミックでも今後症状が出る可能性が高い…という解釈です)。


端的に結果を書きますと、子どもにおける孤独感とメンタルヘルスとの間には、明確な関連性があると述べられています。

孤独感は特に鬱病に関連しており、最大9年後までの発症との関連が認められた(小児~若年成人まで共通)とのことでした…。


また、これらのデータは今回のCOVID-19パンデミックの際に中国から出てきたデータ(COVID-19に対する恐怖や過敏症状等に関する報告☟)と一致しており、


















イギリスからの報告によりますと、その不安の度合いは11歳~16歳と比較して4~10歳の子どもでより強いとのことです。


他の事象と今回のコロナを完全に同一視することはもちろんできませんが、9年後まで影響を及ぼす可能性があるなんて… なかなかですよね。



予防策としましては、下記述べられています。

・SNSの活用 ・家族という単位での帰属意識 ⇨ 子どもが家族ないしは社会的グループの一員として繋がっていることを感じることで、孤独感を軽減。

・Computerized Cognitive Behaviour Therapy (CBT)の活用 (インターネットを利用した認知行動療法 ⇨ たくさん出てくるので、是非インターネットで検索してみてください!)




長い論文を短時間かつかなり意訳してまとめましたので、もし誤訳があったらご指摘ください。

本邦では行動制限が解除されてきており、少しずつ、心理的負担も軽くなってきていることかと思います。

ただし、第2波は必ずやってきますし、抗体獲得率の低さから第1波を超える可能性も十分にあります。


締めるところは締めて、緩めるところは緩める。 引き続き、頑張っていきましょう!

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